山 行 報 告
2016/5 / 16〜18     北ア・明神岳東稜        メンバ:大谷、大高ゅ、越野、新村、早山
記録:早山

明神の途中  快晴   第1階段を登る
先行パーティ

【コースタイム】

 (5月17日)
 8:40沢渡バスターミナル→9:26河童橋→10:06明神館→10:30明神橋→10:35養魚場跡→11:13下宮川谷→12:00宮川のコル→13:25ひょうたん池幕営

 (5月18日)
 4:43出発→5:40第一階段→8:10ラクダのコル→9:40バットレス基部→10:40-11:05明神岳主峰→11:48奥明神沢コルへ懸垂下降→12:20奥明神沢下降→14:00岳沢小屋→15:29明神岳南西尾根取り付き地点→15:55岳沢登山路入口→16:12河童橋→16:55バスターミナル(最終便)

【記 録】

 (5月17日)
 今まで上高地から見上げているだけだった明神岳にいよいよ登ることができるのだから高揚感でいっぱいだ。

 沢渡の駐車場で仮眠中、雨は激しく降っていた。初日の行程はひょうたん池までなので、雨脚が弱まるのを待ってから上高地行きのバスに乗り込む。こんな天気だけれど上高地を散策する観光客はそれなりにいた。

 河童橋に着く頃には既に雨は止んでいた。

 明神橋を見上げるとガスの切れ間から明神岳のX峰が立ちはだかる。

 残雪はほぼ無いため水を一人23L以上担ぐ。漁魚場跡を過ぎると徐々に斜度が増す。次第に陽射しも強くなり皆暑さに耐え切れず、下宮川谷で服装を整える。枝沢に入り、浮石の多い斜面を宮川のコルまでひたすら登る。きっとここは雪があった方が登り易いのだろう。

 長七の頭とひょうたん池の稜線はまだ遠い。

 ひょうたん池への最後の登りあたりでようやく雪を踏む。ひょうたん池はまだ雪の下にあった。

 本日の幕営地は上高地の梓川を俯瞰し、前穂高岳や霞沢岳、明日行く明神岳東稜に囲まれた別天地だ。宴会はテントの外でできる陽気だった。それぞれ持ち寄った酒の肴と美味しいお酒で話も弾む。

 ラジオを聞きながら天気図の描き方も教わることができた。

 夜中はそれなりに冷えた。起きてテントの外に出てみると、満天の星空と雲海がひろがっていた。本当に最高のテント場だ。


 (5月18日)
 明神岳と前穂高岳北尾根のモルゲンロートが美しい朝、テントを撤収し出発。らくだのコルまでほぼ雪はなく、ブッシュの中を藪漕ぎ。腕捲りしていたため両腕が引っ掻き傷だらけになる。

 第一階段とバットレスでロープを出してもらう。小俣さん梶山さんペアがガイド研修を行っているところに遭遇した。こんなところでお会いできるとは!

 らくだのコル手前でアイゼンを装着。

 いよいよ核心部のバットレスにはリングボルトやハーケンがベタ打ちされている。一枚岩のようで上部の方はスタンスは細かいがアイゼンの爪で丁寧に探し慎重に登る。

  その後はフリーで明神岳主峰まで残雪、草付き、ガレ場を登りきる。主峰からは西穂高岳〜奥穂高岳の屏風のような稜線が広がる。

 今度は主峰からX峰まで主脈を縦走してみたい。

 ばたこさんから聞いた話であるが、上高地は「上河内」とも呼ばれ、上高地の中心にある明神岳は神様が降り立ったそうだ。
 だから、今は明神岳と呼ぶ穂高大明神を中心にとし前穂高岳、奥穂高岳、西穂高岳、北穂高岳名付けられたという由来を聞き、感慨深い。

 主峰から奥明神沢へのコルまで気は抜けない岩稜帯。最後のコルへ懸垂下降する。雪渓が繋がっているため奥明神沢を下降。ダブルアックスで下降すると快適だ。傾斜が緩やかになり岳沢小屋が見え安堵する。
 いつの間にか奥穂高岳南稜から下りてきたパーティーと合流した。登攀具、アイゼンをしまい上高地へと戻った。岳沢小屋までスニーカーで散策している方々がいたのには驚いた。河童橋から再び見上げる穂高岳と明神岳。朝まであの上にいたのだと思うとなんだか不思議な気持ちになる。

ゆっくりソフトクリームを食べていたら、上高地からの最終バス便となってしまった。

今度は雪のついた時期にまた明神岳を訪れることができたら良いと感じた。